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財産評価

2020年12月11日 金曜日

路線価の減額補正見送り

 国税庁は7月1日に発表した路線価の減額補正を行わないことを10月下旬に発表しました。新型コロナウイルスの影響で地価が大幅下落する恐れがあるとして、減額補正が検討されてきましたが、地価が路線価を下回った地域が確認されなかったため、引き下げないことを決めたものです。

 国税庁が根拠としたのは国土交通省の都道府県地価調査で、今年7月1日時点の地価が前年同期と比べ、住宅地で0.4%、商業地で1.4%の下落にとどまりました。さらに1月から6月の間に相続や贈与の対象となった土地を国税庁が外部専門家に委託して調べたところ、路線価が時価を上回る土地はなかった点も影響しています。

 今回の調査にあたって国税庁は「コロナ禍での大幅な地価下落は確認できなかった」として減額補正を見送りましたが、大阪市中央区の宗右衛門町と名古屋市中区の錦三丁目は19%、東京都台東区の浅草一丁目では16%の下落となるなど、下落率が15%を超えた地域は合計6地点に及んでいます。全国平均で見ても1%近くは減少していることから、多くの土地が減額の対象となってもおかしくない状況でした。

 路線価は、国税庁が1月1日の時点での全国の主な道路に面した土地について1平方メートル当たりの評価額を算定したもので、相続税や贈与税を計算する基準となります。減額補正の見送りは多くの相続人に影響を与えそうです。

記事提供:エヌピー通信社

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2018年10月1日 月曜日

相続税財産評価Q&A95 非上場株⑨

相続税財産評価 非上場株⑨

Q95
直前期末から課税時期までの間に転換社債の転換があった場合、社債(負債の部)から株式(資本の部)へ組み変わるため,財産内容に変動がありますが、1株当たりの配当や利益や純資産(比準要素)の内容に調整を加えてもよいですか
また,次の場合はどうですか。
増資
減資
組織変更
A95
転換社債の転換があった場合
転換社債は,一定の条件のもとに自由に株式に転換する権利が付与された社債で,株式への転換があるまでは一般の社債(負債)となんら変わりません。ご質問の転換社債も,直前期末時点では単なる社債に過ぎないため,発行済株式数や純資産価額に変化があったとすることはできません。
類似業種比準価額の計算は,直前期末の決算数値に基づいて行います(評基通180)。直前期末の決算も,未転換の社債は負債に計上しているはずですから,そのままの数値で類似業種比準価額の計算に用いることができます。したがって,直前期末の決算数値による比準要素に調整を加える必要はありません。しかし,類似業種比準価額は直前期末を基準としているため,増資前の旧株1株当たりの価格として算出されますので,課税時期までの間に増資(転換)が行われたときは,発行済株式数も増加していますので,増資後(権利落ち)の価格に修正する必要があります(評基通184)
なお,未転換の社債は負債として扱われますが,潜在的には株式の性格を持つため,修正株価(全部転換を仮定した株価)が転換価格を上回る時は,修正株価をもとに未転換社債を評価することとしています(評基通197-5(3))。したがってこの場合,株式の評価も未転換社債の評価に連動して,未転換社債が全部転換したと仮定した株価(修正株価)に修正する必要がありますので注意してください。
増資があった場合
転換社債の転換による増資の場合と同様です(評基通184)。
減資があった場合
増資の場合と同様に比準要素の調整は必要なく,株価の修正が必要になります。
株式の評価は1株当たりの価格として算定されますから,減資については発行済株式数の減少という側面から,実質的減資と形式的減資に分けて考えます。
(実質的減資)有償による減資は,出資の払戻しと株式数の減少が伴いますので,類似業種比準価額の修正は不要です。
(形式的減資)無償による株式の消却や併合は,株主の持分には変化がないまま,株式数だけが減少しますので,下記のように計算されます。
減資前の類似業種比準価額の株価÷減資後の発行済み株式数=減資後の株価

組織変更があった場合
組織変更は法形式上,解散と設立の経過をたどりますが,法人格の同一性を保持したまま他の種類の会社に変更するに過ぎないため,法人税法上も事業年度は区分されず継続することとしています(法基通1-2-2)。
したがって,仮に直前期中に組織変更があったとしても,比準要素の調整は不要です。

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2018年9月10日 月曜日

相続税財産評価Q&A94 非上場株⑧

相続税財産評価 非上場株⑧

Q94
非上場株の会社規模判定における「直前期末以前1年間の取引金額」の計算には,売上金額は当然含めますが,営業外収益のすべて,又はその一部を含めて判定してよいのでしょうか。

A94
「取引金額」とは,評価会社の課税時期における直前期末以前1年間の評価会社の目的とする事業に係る収入金額をいいます。一般的には,定款上の事業目的に係る事業から生じた収入金額が評価会社の規模を表すことになりますから,具体的には,収入金額イコール売上金額となるでしょう。
本通達(3)では,収入金額のかっこ書で,金融業は「収入利息」,証券業は「収入手数料」とこれらの業種に関しては,本来の事業のみで判定させるというところからも,そのことが伺えます。具体的に,営業外収益の科目が「収入金額」に必ずしも含まれないのかを検討してみましょう。
営業外収益の勘定科目には,①受取利息,②受取配当金,③有価証券売却益,④為替差益,⑤受取賃貸料,⑥仕入割引,⑦雑収入などがありますが,いずれの科目も,株価評価上の会社規模を判定する材料にはならないのではないでしょうか。受取利息配当金や為替差益は営業収入とは直接関係ないものですし,有価証券売却益はそれを業としていない場合は,たまたま株式を売却したにすぎませんので,会社規模に関係するものではないと思います。
不動産貸付業以外の受取賃貸料も福利厚生目的で社宅等を貸し付けているケースの家賃収入であれば,売上とは直接結びつきません。したがって,通常,営業外収益は,本通達の「収入金額」には含めないものと考えます。

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2018年9月3日 月曜日

相続税財産評価Q&A93 非上場株⑦

相続税財産評価Q&A 非上場株⑦

Q93
取引相場のない株式の評価における評価会社の規模区分の判定の際、「直前期末以前1年間における取引金額ついて一つの法人でさまざまな業種を手がけている場合には,「目的とする事業」は登記上の目的と関係あるのですか。定款及び登記上の目的には記載されているが,売上が小さい場合はどうでしょうか。
A93
一つの法人でさまざまな業種を手がけている場合には,「目的とする事業」は,登記上の目的と関係はありません。また,登記上の目的には記載されているが取引金額が小さい場合は「目的とする事業」には,該当しません。
「直前期末以前1年間における取引金額」は,その期間における「評価会社の目的とする事業」にかかわる収入金額とされています。実態としての取引金額によるのか,という点については,実態としての取引金額により判断することになります。当初,定款記載の事業目的のみを行っていても,その後の経営環境の変化により本業以外にも事業展開したり,当初の定款記載の事業目的と全く別の事業が,主体となる場合もあります。この場合,会社の業種を判定する際の要素は,名目的な定款記載上の事業目的より,経営実態を反映した「直前期末以前1年間における取引金額」により「評価会社の目的とする事業」を判定すべきと考えられます。
複数の事業を兼業している場合,「直前期末以前1年間における取引金額」の多寡により,評価会社の業種を判定します。また,将来的に事業のウェイトがシフトすることが予想される評価会社においても,シフト後の事業実績が即座に株価に反映されることは考えにくいことから,「直前期末以前1年間における取引金額」の多寡により,評価会社の業種を判定することが妥当と考えます。

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2018年8月27日 月曜日

相続税財産評価Q&A92 非上場株⑥

相続税財産評価Q&A92 非上場株⑥

Q92
営業譲渡,合併した場合には譲渡先,合併先の会社においてが従業員の数の計算上「1年間継続して勤務したもの」として取り扱ってよいのでしょうか。
A92
合併の場合は存続会社において「1年間継続して勤務したもの」として取り扱い,営業譲渡の場合は雇用契約の内容により判断します。

営業譲渡とは,一定の営業目的のために組織化された有機的一体として機能する有形,無形の財産を一括して譲渡することをいいます。営業譲渡における従業員の継承については,当事者間の合意のほか,従業員の合意が必要です。一方,合併とは,複数の会社が契約により1つの会社に合体し,当事者間の一部又は全部が消滅することをいいます。合併における従業員の継承は,消滅会社の権利義務関係のすべてが存続会社に引き継がれます。
営業譲渡日又は合併期日が,評価会社の直前期期首の場合には,継承した従業員を「1年間継続して勤務したもの」と扱ってよいか否か,問題になることはありませんが,直前期の期中の場合には,継承した従業員を「1年間継続して勤務したもの」と取り扱ってよいか,判断に迷うところです。
従業員とは,評価会社に雇用契約により使用される個人で,賃金の支払を受ける者をいいますが,営業譲渡の場合,従業員の雇用契約を営業譲渡先に継承する場合と従業員の雇用契約を営業譲渡元に残し営業譲渡先に出向させる場合があります。従業員の雇用契約を営業譲渡先に継承する場合には,営業譲渡先において「1年間継続して勤務したもの」として取り扱い,従業員の雇用契約を営業譲渡元に残し営業譲渡先に出向させる場合には,営業譲渡先において「1年間継続して勤務したもの」として取り扱えないと思われます。一方,合併の場合には,当然に,消滅会社と従業員の雇用契約が存続会社に継承されますので,存続会社において「1年間継続して勤務したもの」と取り扱えるものと思われます。

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