無料相談実施中 お気軽にお問い合わせください 03-3388-2021

財産評価

2018年10月 1日 月曜日

相続税財産評価Q&A95 非上場株⑨

相続税財産評価 非上場株⑨

Q95
直前期末から課税時期までの間に転換社債の転換があった場合、社債(負債の部)から株式(資本の部)へ組み変わるため,財産内容に変動がありますが、1株当たりの配当や利益や純資産(比準要素)の内容に調整を加えてもよいですか
また,次の場合はどうですか。
増資
減資
組織変更
A95
転換社債の転換があった場合
転換社債は,一定の条件のもとに自由に株式に転換する権利が付与された社債で,株式への転換があるまでは一般の社債(負債)となんら変わりません。ご質問の転換社債も,直前期末時点では単なる社債に過ぎないため,発行済株式数や純資産価額に変化があったとすることはできません。
類似業種比準価額の計算は,直前期末の決算数値に基づいて行います(評基通180)。直前期末の決算も,未転換の社債は負債に計上しているはずですから,そのままの数値で類似業種比準価額の計算に用いることができます。したがって,直前期末の決算数値による比準要素に調整を加える必要はありません。しかし,類似業種比準価額は直前期末を基準としているため,増資前の旧株1株当たりの価格として算出されますので,課税時期までの間に増資(転換)が行われたときは,発行済株式数も増加していますので,増資後(権利落ち)の価格に修正する必要があります(評基通184)
なお,未転換の社債は負債として扱われますが,潜在的には株式の性格を持つため,修正株価(全部転換を仮定した株価)が転換価格を上回る時は,修正株価をもとに未転換社債を評価することとしています(評基通197-5(3))。したがってこの場合,株式の評価も未転換社債の評価に連動して,未転換社債が全部転換したと仮定した株価(修正株価)に修正する必要がありますので注意してください。
増資があった場合
転換社債の転換による増資の場合と同様です(評基通184)。
減資があった場合
増資の場合と同様に比準要素の調整は必要なく,株価の修正が必要になります。
株式の評価は1株当たりの価格として算定されますから,減資については発行済株式数の減少という側面から,実質的減資と形式的減資に分けて考えます。
(実質的減資)有償による減資は,出資の払戻しと株式数の減少が伴いますので,類似業種比準価額の修正は不要です。
(形式的減資)無償による株式の消却や併合は,株主の持分には変化がないまま,株式数だけが減少しますので,下記のように計算されます。
減資前の類似業種比準価額の株価÷減資後の発行済み株式数=減資後の株価

組織変更があった場合
組織変更は法形式上,解散と設立の経過をたどりますが,法人格の同一性を保持したまま他の種類の会社に変更するに過ぎないため,法人税法上も事業年度は区分されず継続することとしています(法基通1-2-2)。
したがって,仮に直前期中に組織変更があったとしても,比準要素の調整は不要です。

投稿者 菅原会計事務所 | 記事URL

2018年9月10日 月曜日

相続税財産評価Q&A94 非上場株⑧

相続税財産評価 非上場株⑧

Q94
非上場株の会社規模判定における「直前期末以前1年間の取引金額」の計算には,売上金額は当然含めますが,営業外収益のすべて,又はその一部を含めて判定してよいのでしょうか。

A94
「取引金額」とは,評価会社の課税時期における直前期末以前1年間の評価会社の目的とする事業に係る収入金額をいいます。一般的には,定款上の事業目的に係る事業から生じた収入金額が評価会社の規模を表すことになりますから,具体的には,収入金額イコール売上金額となるでしょう。
本通達(3)では,収入金額のかっこ書で,金融業は「収入利息」,証券業は「収入手数料」とこれらの業種に関しては,本来の事業のみで判定させるというところからも,そのことが伺えます。具体的に,営業外収益の科目が「収入金額」に必ずしも含まれないのかを検討してみましょう。
営業外収益の勘定科目には,①受取利息,②受取配当金,③有価証券売却益,④為替差益,⑤受取賃貸料,⑥仕入割引,⑦雑収入などがありますが,いずれの科目も,株価評価上の会社規模を判定する材料にはならないのではないでしょうか。受取利息配当金や為替差益は営業収入とは直接関係ないものですし,有価証券売却益はそれを業としていない場合は,たまたま株式を売却したにすぎませんので,会社規模に関係するものではないと思います。
不動産貸付業以外の受取賃貸料も福利厚生目的で社宅等を貸し付けているケースの家賃収入であれば,売上とは直接結びつきません。したがって,通常,営業外収益は,本通達の「収入金額」には含めないものと考えます。

投稿者 菅原会計事務所 | 記事URL

2018年9月 3日 月曜日

相続税財産評価Q&A93 非上場株⑦

相続税財産評価Q&A 非上場株⑦

Q93
取引相場のない株式の評価における評価会社の規模区分の判定の際、「直前期末以前1年間における取引金額ついて一つの法人でさまざまな業種を手がけている場合には,「目的とする事業」は登記上の目的と関係あるのですか。定款及び登記上の目的には記載されているが,売上が小さい場合はどうでしょうか。
A93
一つの法人でさまざまな業種を手がけている場合には,「目的とする事業」は,登記上の目的と関係はありません。また,登記上の目的には記載されているが取引金額が小さい場合は「目的とする事業」には,該当しません。
「直前期末以前1年間における取引金額」は,その期間における「評価会社の目的とする事業」にかかわる収入金額とされています。実態としての取引金額によるのか,という点については,実態としての取引金額により判断することになります。当初,定款記載の事業目的のみを行っていても,その後の経営環境の変化により本業以外にも事業展開したり,当初の定款記載の事業目的と全く別の事業が,主体となる場合もあります。この場合,会社の業種を判定する際の要素は,名目的な定款記載上の事業目的より,経営実態を反映した「直前期末以前1年間における取引金額」により「評価会社の目的とする事業」を判定すべきと考えられます。
複数の事業を兼業している場合,「直前期末以前1年間における取引金額」の多寡により,評価会社の業種を判定します。また,将来的に事業のウェイトがシフトすることが予想される評価会社においても,シフト後の事業実績が即座に株価に反映されることは考えにくいことから,「直前期末以前1年間における取引金額」の多寡により,評価会社の業種を判定することが妥当と考えます。

投稿者 菅原会計事務所 | 記事URL

2018年8月27日 月曜日

相続税財産評価Q&A92 非上場株⑥

相続税財産評価Q&A92 非上場株⑥

Q92
営業譲渡,合併した場合には譲渡先,合併先の会社においてが従業員の数の計算上「1年間継続して勤務したもの」として取り扱ってよいのでしょうか。
A92
合併の場合は存続会社において「1年間継続して勤務したもの」として取り扱い,営業譲渡の場合は雇用契約の内容により判断します。

営業譲渡とは,一定の営業目的のために組織化された有機的一体として機能する有形,無形の財産を一括して譲渡することをいいます。営業譲渡における従業員の継承については,当事者間の合意のほか,従業員の合意が必要です。一方,合併とは,複数の会社が契約により1つの会社に合体し,当事者間の一部又は全部が消滅することをいいます。合併における従業員の継承は,消滅会社の権利義務関係のすべてが存続会社に引き継がれます。
営業譲渡日又は合併期日が,評価会社の直前期期首の場合には,継承した従業員を「1年間継続して勤務したもの」と扱ってよいか否か,問題になることはありませんが,直前期の期中の場合には,継承した従業員を「1年間継続して勤務したもの」と取り扱ってよいか,判断に迷うところです。
従業員とは,評価会社に雇用契約により使用される個人で,賃金の支払を受ける者をいいますが,営業譲渡の場合,従業員の雇用契約を営業譲渡先に継承する場合と従業員の雇用契約を営業譲渡元に残し営業譲渡先に出向させる場合があります。従業員の雇用契約を営業譲渡先に継承する場合には,営業譲渡先において「1年間継続して勤務したもの」として取り扱い,従業員の雇用契約を営業譲渡元に残し営業譲渡先に出向させる場合には,営業譲渡先において「1年間継続して勤務したもの」として取り扱えないと思われます。一方,合併の場合には,当然に,消滅会社と従業員の雇用契約が存続会社に継承されますので,存続会社において「1年間継続して勤務したもの」と取り扱えるものと思われます。

投稿者 菅原会計事務所 | 記事URL

2018年8月20日 月曜日

相続税財産評価Q&A91 非上場株⑤

相続税財産評価Q&A 非上場株⑤

Q91
役員としての地位を有しない顧問,相談役,嘱託など執務時間がはっきりしない者はどのように扱われるのですか。
A91
役員としての地位を有しない顧問,相談役であっても,いわゆるオーナー株主であって,重要な経営事項に影響力をもつ者は,「評価会社に使用される個人で賃金の支払を受ける者」には該当しない,つまり,従業員には該当しないと考えるのが常識と思われます。
一方,オーナー株主としての地位を有しない,例えば嘱託など単なる使用人と同じ業務にしか従事していない場合には,従業員と考えるのが常識と思われます。
従業員に該当する嘱託のうち,労働時間がはっきりしない者は,従業員としてどのようにカウントするか,ということが問題になりますが,評価会社の課税時期の直前1年間における労働時間の実績により判定します。
例えば,下記のような場合には、
①直前期末以前1年間継続して勤務し,1週間当たりの労働時間が30時間以上の者
②直前期末以前1年間継続して勤務し,1週間当たりの労働時間が30時間未満の者
③直前期末以前1年間継続して勤務していない者
①については従業員それぞれを従業員数1とカウントし,②と③の場合には,1年間の労働時間の合計÷1,800時間=従業員数とカウントします。

Q91-2
直前期に,リストラ等の特別の事情こより,大量退職した場合の従業員数の判定は,どのように行われるのですか。
A91-2
会社規模を判定する際の「従業員数」の計算は,直前期末1年間の勤務形態により判断すること,とされています。中途入社,退職者は,年間を通じた継続勤務従業員ではなく「直前期末以前1年間継続して勤務していない者」に該当します。
例えば,3月決算の会社において,期中に大量退職した場合,退職者は年間を通じた継続勤務従業員といいがたく,中途退職者として前問の③「直前期末以前1年間継続して勤務していない者」に該当し,1年間の労働時間の合計÷1,800時間=従業員数により従業員数をカウントします。
一方,3月決算の会社において,決算日に大量退職した場合,退職者は,前問の①にいう「直前期末以前1年間継続して勤務した者」に該当し(1週間当たりの労働時間が30時間未満の者を除きます。),退職者は,直前期における従業員数1とカウントすることが妥当と思われます。

投稿者 菅原会計事務所 | 記事URL

  • 電話でのご相談 親切・丁寧に伺います。 営業時間:平日9~18時 03-3388-2021
  • 電メールでのご相談 インターネットからのお問い合わせはこちら